【実体験】引きずるコートで「ダサい」を極めた日
私がまだファッションの「フ」の字も分かっていなかった、20代前半の頃の話です。
街中で見かける、颯爽とロングコートを着こなす男性たちに憧れていました。
「あれこそが大人のおしゃれだ!」と信じて疑わず、流行りのビッグシルエットのロングコートに手を出したのが運の尽き。
今思えば、あれほどダサい買い物はなかったと断言できます。
ある冬のセールで、膝下まであるような、かなり丈の長い黒いウールコートを見つけました。
当時流行していたオーバーサイズデザインで、店員さんも「今期一押しです!」と太鼓判を押すもの。
試着した時に「ちょっと大きいかな?」とは感じたものの、その時は「これがトレンドなんだ!」と自分に言い聞かせ、衝動買いしてしまいました。
翌週、そのコートを着て友人とカフェに行くことに。
気分は上々、まさに「都会的でおしゃれな自分」を演出できているはずだと信じていました。

こんな感じ
しかし、カフェに着いて椅子に座ろうとした瞬間、足元に違和感。
なんと、コートの裾が床にべったりと引きずりそうになっていたのです。
慌てて裾をまくって座り直しましたが、友人の視線がその裾に集中しているのが分かりました。
さらに、カフェから出て街を歩いている時も、風が吹くたびにコートが大きく膨らみ、まるで黒いマントを羽織ったコウモリのよう。
足元が見えにくく、階段では裾を踏みそうになり、つまずきかけました。
信号待ちでふとショーウィンドウに映った自分の姿を見て、私は愕然としました。
シルエットはただ重たく、足元は隠れて短足に見え、全体的にバランスが悪く、まるで子供が父親のコートを着ているような、見るに堪えないダサい姿でした。
友人も遠回しに「そのコート、ちょっと丈が長すぎない?」と言葉を選んでくれたのですが、私にはそれが「お前、ダサいぞ」という強烈なメッセージに聞こえました。
あの冬、そのコートを着たのは結局数回。すぐにタンスの奥に追いやられることになりました。
体型無視と着こなしの無知が招いた悲劇
なぜ、あのロングコートが私にとってこんなにもダサい結果になったのでしょうか。
今振り返ると、明確な原因がいくつかあります。
まず、「サイズ選びと体型への致命的な誤解」です。
私は身長170cmと、男性としては決して高身長ではありません。
それにもかかわらず、膝下まであるオーバーサイズのコートを選んでしまったため、実際の身長よりもはるかに背が低く見え、胴長短足のダサいシルエットになっていました。
当時は流行だからと鵜呑みにしていましたが、自分の体型に合った丈感や肩幅の重要性を全く理解していなかったのが敗因です。
次に、「ロングコートの着こなし方に対する無知」です。
ロングコートは一枚で主役になるアイテムですが、その分、インナーやボトムスとのバランスが非常に重要になります。
私の場合は、コートの丈が長いにもかかわらず、中に合わせたパンツも普通のストレートシルエットで、足元もごく普通のスニーカーでした。
これでは、縦のラインが強調されず、重たいコートに埋もれてしまうだけ。
さらに、上半身にも特に工夫がなく、ただコートを羽織っただけのダサい着こなしになっていました。
最後に、「流行の安易な模倣と試着不足」です。
雑誌やSNSで見るおしゃれな着こなしに憧れるあまり、自分の体型や普段のスタイルに合うかを冷静に判断できませんでした。
「トレンドだから大丈夫」というダサい思い込みで、店員の言葉を鵜呑みにし、きちんとした試着を怠ったことも大きな失敗でした。
全身のバランスを客観的に見ていなかったことが、あの悲劇を招いたのです。
ロングコートを「おしゃれ」に着こなすためのマイルール
あのダサい経験をして以来、私はロングコートに対する考え方を根本的に改めました。
今では、ロングコートは私の冬のワードローブに欠かせないアイテムの一つですが、そこにはいくつかの「自分ルール」があります。
まず、「丈感とシルエットの徹底的な見極め」です。
私の身長であれば、膝上から膝丈くらいまでのコートを選ぶようにしています。
これなら脚の長さも適度に確保でき、全体的にすっきりとした印象になります。
また、オーバーサイズを選ぶ場合でも、肩幅が落ちすぎないものや、落ち感のある素材を選び、体のラインに馴染むようなシルエットを重視するようになりました。
購入前には必ず全身鏡で確認し、可能であれば普段着ているインナーやパンツを想定して試着するようにしています。
次に、「インナーとボトムスとのバランスを最優先」です。
ロングコートが主役なので、インナーはシンプルにまとめることを心がけています。
ニットやシャツは、コートと喧嘩しない色味や素材を選び、首元はすっきり見せる工夫をします。
ボトムスは、コートの重みに負けないよう、細身のパンツやテーパードシルエットを選ぶことが多いです。
これにより、IラインやYラインのシルエットが生まれ、全体のバランスが「おしゃれ」に見えるようになります。
足元も、コートの丈感に合わせてブーツや革靴を選ぶことで、より洗練された印象に。
そして何より、「自分らしい着こなしへの自信」です。
流行を取り入れることは素晴らしいですが、それが自分の個性や体型に合っているかを冷静に見極めることが大切だと学びました。
無理におしゃれに見せようとせず、自分が心地よく、自信を持てる着こなしを選ぶことが、結果的に一番「おしゃれ」に見えるという結論に至りました。
あのダサい失敗は、私に「ファッションは自分を表現するもの」という大切なことを教えてくれた、かけがえのない経験です。
もしあなたがロングコートの着こなしで悩んでいるなら、ぜひ自分の体型と向き合い、丈感と全体のバランスを見直してみてください。
きっと「ダサい」から「おしゃれ」への道が開けるはずです。
僕が考えるロングコートを選ぶ際の対策は後述しています。
ロングコートが残念に見えるNGパターン
私のロングコートでのダサい失敗談を振り返り、なぜこのアイテムが残念に見えてしまうのか、そのNGパターンを3つにまとめました。
これらの落とし穴を避ければ、あなたもきっと「ダサい」を卒業し、スマートな着こなしができるはずです。
1. サイズ選びのミスで「引きずり野郎」化パターン
私の体験談で最もダサかった原因の一つがこれです。
自分の身長や体型を無視して、やたらと丈の長いオーバーサイズのロングコートを選んでしまうと、まるで服に着られているかのような印象になります。
特に低身長の人が膝下まであるようなコートを着ると、足元が見えにくくなり、裾を引きずる「引きずり野郎」状態に。
全体のバランスが崩れ、本来の身長よりもはるかに背が低く見え、壊滅的にダサいシルエットが完成してしまいます。
オーバーサイズが裏目に「着られている感」
肩幅が合っていないと、ゴツく見えたり、だらしなく見えたりと、せっかくのコートが台無しです。
丈の長すぎで「スタイル悪見え」
特に低身長の人が膝下まであるようなコートを着ると、足元が隠れて短足に見え、全体の重心が下がってしまいます。
これにより、実際の身長よりもはるかに背が低く、胴長短足のダサいシルエットに見えてしまうのです。
2. インナー・ボトムスとのバランス崩壊で「埋もれ」パターン
ロングコートは主役級のアイテムだからこそ、インナーやボトムスとのバランスが非常に重要です。
私の失敗談のように、コートの丈が長いにもかかわらず、中に合わせたパンツも普通のストレートシルエットで、足元もごく普通のスニーカーだと、全てが重たい印象になり、コートに体が「埋もれて」しまいます。
これでは縦のラインが強調されず、重たいコートのボリューム感だけが際立ち、洗練された「おしゃれ」とは程遠い、ただ重苦しいだけのダサい着こなしになってしまいます。
全身のボリューム過多で「重苦しい」印象に
特に、上半身に何も工夫がないと、本当にただコートを羽織っただけの野暮ったい印象を与えかねません。
縦のラインが消える「短足」効果
ロングコートの丈が長すぎると、ボトムスとの境目が曖昧になり、脚の始まりがどこか分かりづらくなります。
これは視覚的に脚を短く見せる効果があり、全体のスタイルが悪く、ダサい印象を与えてしまいます。
特に、コート自体にボリュームがあると、その効果はさらに顕著になります。
3. 「とりあえず流行」の思考停止で「垢抜けない」パターン
当時の私が陥っていたのが、まさにこれです。「ロングコートがおしゃれ」「ビッグシルエットが流行」という情報だけを鵜呑みにして、自分の体型や普段のスタイルに合うかを冷静に判断しませんでした。
流行のアイテムをただ身につければおしゃれに見えるという安易な思い込みは、非常にダサい結果を招きます。
流行だけを追う「思考停止」
試着もそこそこに購入してしまい、実際に着てみたら「なんか違う…」となるのは、まさにこのパターン。
自分に似合わないのに「無理やり」着用
ファッションは、流行を取り入れつつも、それを自分らしく着こなすバランス感覚が重要です。
思考停止で「とりあえず」着てしまうと、結局は個性も魅力も伝わらない、垢抜けないダサい印象を与えてしまうんです。
これらのNGパターンを意識して避けることで、あなたのロングコートスタイルは格段におしゃれに見せることができます。
ぜひ、ご自身のワードローブと照らし合わせてみてくださいね。
【解決策】「ダサい」を「おしゃれ」に変えるロングコートの着こなし術
私のダサい失敗談から学んだ教訓を活かし、ロングコートの着こなしを「おしゃれ」に見せるための具体的な解決策を3つご紹介します。
これらのポイントを押さえれば、あなたもきっと自信を持ってこのアイテムを楽しめるはずです。
1. 「ジャストフィット」を極めるサイズ選び
「ダサい」引きずり野郎感を脱却し「おしゃれ」に見せるには、徹底したサイズ選びが最も重要です。
丈感は「膝上から膝丈」が基本
身長170cm前後の日本人男性であれば、膝上から膝丈くらいまでのコートを選ぶのがおすすめです。これなら脚の長さも適度に確保でき、全体的にすっきりとした印象になります。
床を引きずるような長すぎる丈は、どんなに高価なコートでもダサく見えてしまいます。
肩と身幅は「ジャスト」か「落ち感」を重視
オーバーサイズのデザインでも、肩幅が落ちすぎないものを選びましょう。
もしくは、肩が自然に落ちる「ドロップショルダー」で、体のラインに沿ってしなやかに流れる「落ち感」のある素材を選ぶと、だらしなく見えず「おしゃれ」です。
試着で必ず全身鏡で確認し、普段着ているインナーを想定して試着することが大切です。
2. 「インナー・ボトムス」との「メリハリ」で立体感を演出
ロングコートは主役級のアイテムだからこそ、インナーやボトムスとのバランスにメリハリをつけることが「おしゃれ」への近道です。
インナーは「シンプル・コンパクト」に
コートが主役なので、インナーはシンプルにまとめることを心がけましょう。
厚手のニットやごわつく素材は避け、薄手のニットやシャツでスマートに。
首元はタートルネックで縦のラインを強調したり、クルーネックでスッキリ見せたりと、コートと喧嘩しない色味や素材を選んでください。
ボトムスは「細身」でYラインを意識
ロングコートで上半身にボリュームが出る分、ボトムスはスリムなパンツやテーパードシルエットを選ぶと、Yラインシルエットが強調され、スタイル良く見えます。
足元も、コートの丈感に合わせてブーツや革靴を選ぶことで、より洗練された印象に。
ワイドパンツを合わせる場合は、インナーをよりタイトにするなど、どこかに引き締めポイントを作ることで、バランスの取れた「おしゃれ」な着こなしになります。
3. 「自分軸」で魅せる「全体の統一感」と「引き算」
流行を安易に追うだけでは「垢抜けない」印象になりがちです。
「おしゃれ」な着こなしは、自分に似合うバランスと全体の統一感から生まれます。
色使いで「まとまり」を意識
コートとインナー、ボトムスの色合わせに統一感を持たせましょう。
例えば、モノトーンでシックにまとめたり、アースカラーでグラデーションを作ったりすると、重ね着してもごちゃつかず、洗練された印象になります。
差し色を使う場合は、小物など一点に絞ると「おしゃれ」度がアップします。
「引き算の美学」で洗練された印象に
おしゃれな着こなしは、足し算ばかりではありません。
あれもこれもと欲張ってアイテムを重ねるのではなく、どこか一箇所にポイントを絞り、それ以外はシンプルにまとめる「引き算の美学」を取り入れましょう。
例えば、デザイン性の高いコートを着用するなら、他のアイテムは無地で統一するなど、バランスを意識することが「ダサい」から「おしゃれ」への転換点です。
これらの秘訣を意識して、ぜひあなたのロングコートコーデを「おしゃれ」に変身させてみてください。
まとめ
私のダサい失敗談から学んだ教訓を基に、ロングコートを「おしゃれ」に見せる秘訣は3つです。
まず、サイズ選びの徹底が重要になります。 服に着られているような「着られている感」をなくすため、丈感は膝上から膝丈、肩幅はジャストフィットを意識しましょう。
次に、インナー・ボトムスとのメリハリを持たせること。 全てを重たくせず、インナーはシンプルに、ボトムスは細身を選ぶことで、立体感とスタイルアップを叶えます。
そして、全体の統一感と「引き算」も欠かせません。 単なる防寒ではなく、「魅せるコーデ」として、色使いを意識し、どこかにポイントを絞ることで、野暮ったさをなくしましょう。
これらの秘訣を意識すれば、あなたのロングコートコーデは格段に「おしゃれ」に変わるはずです。
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