【実体験】黒のトレンチコートで「怪しい人」になった僕の失敗談
忘れもしない3年前の秋。当時、定番のベージュのトレンチコートばかり見かける中で、「人と差をつけたい」という思いから、憧れのイタリアブランドの黒のトレンチコートを購入しました。「シックで大人っぽいはず」と意気込んで、友人たちとの食事会に着て行ったのです。
店頭で見たときは確かにクールで洗練されていました。黒というカラーの持つ高級感と、トレンチコートの英国的な上品さが組み合わさって、「これは間違いなくおしゃれだ」と確信していたんです。
しかし、実際に外出してみると、予想外の反応が続々と…。まず、駅で電車を待っているときに、隣にいた女性がそっと距離を置いたのに気づきました。「気のせいかな?」と思っていましたが、レストランでも店員さんの対応が何となくよそよそしく、友人からも「なんか今日、雰囲気が違うね」と言われる始末。
極めつけは、帰り道でのこと。信号待ちをしていると、向こうから歩いてきた親子連れの母親が、明らかに僕を見て子供の手を引いて道を変えたのです。その瞬間、コンビニの窓ガラスに映る自分の姿を見て愕然としました。
全身が黒ずくめ(インナーも靴も黒系だった)で、確かにどこか「怪しい人」のような雰囲気が漂っていたのです。「スタイリッシュ」を狙ったつもりが、「近寄りがたい」「威圧的」な印象になってしまい、あのダサい失敗は今でも思い出すと恥ずかしくなります。
サイズ選びとコーディネートの誤解が原因
あのダサい失敗には、いくつかの要因があったと分析しています。
まず、サイズ選びの問題。当時、「大きめがトレンドだから」という理由で、実際の体型より2サイズほど大きいものを選んでしまいました。肩がずり落ち、袖も長すぎて、だらしない印象を与えていたのです。黒という色は収縮効果があるとはいえ、サイズが合っていないと逆にダサく見えてしまうことを理解していませんでした。
次に、コーディネート全体の色のバランスの問題。黒のトレンチコートに黒のタートルネック、黒のパンツ、黒の革靴という全身黒ずくめのスタイリングは、確実にダサい印象を与えていました。「統一感」を意識したつもりが、「重すぎる」「威圧的」な雰囲気になってしまったのです。
そして最も大きな誤解は、「黒=おしゃれ」という固定観念でした。確かに黒は洗練された色ですが、トレンチコートという存在感のあるアウターに黒を選ぶ場合、より慎重なコーディネートが必要だったのです。特に30代男性という年齢を考えると、親しみやすさや清潔感を損なわないよう配慮すべきでした。
どう対策したか
この失敗から学んだのは、黒のトレンチコートは決してダサいアイテムではないが、着こなし方を一歩間違えると「怪しい人」や「近寄りがたい人」という印象を与えてしまうリスクが高いということです。
重要なのは、黒という強い色を主役にする場合、他のアイテムで「親しみやすさ」や「適度な抜け感」をプラスすることです。全身を黒で固めるのではなく、インナーには白やベージュなどの明るい色を取り入れ、小物で色のアクセントを加えるなど、バランスを意識した着こなしが必要でした。
僕が考える黒のトレンチコートを選ぶ際の対策は後述しています。
黒のトレンチコートが残念に見えるNGパターン
僕のダサい失敗談を基に、「黒のトレンチコート」が残念に見えるNGパターンを3つにまとめました。どれも過去の私が陥っていた、ダサい落とし穴です。
1. 全身黒ずくめの「怪しい人」コーデ
黒の重ね着でダサい威圧感を演出
黒のトレンチコートに黒のインナー、黒のボトムス、黒の靴…と、全身を黒で統一してしまうパターンです。これは最もダサい典型例で、私も実際に体験したように、「怪しい人」「近寄りがたい人」という印象を与えてしまいます。
確かに「オールブラック」は一見クールに見えますが、30代以降の男性がこの着こなしをすると、威圧的で重い雰囲気になりがちです。特に体格の良い方や身長の高い方は、より一層その傾向が強くなります。
「統一感」の勘違いがダサさを生む
「色を統一すればおしゃれ」という思い込みから、黒で全てを統一してしまうのは大きな間違いです。トレンチコート自体が存在感の強いアイテムなので、他のアイテムで適度な「抜け感」や「親しみやすさ」を演出する必要があります。
2. オーバーサイズの「だらしない」着こなし
サイズ感の誤解でダサい印象に
「大きめサイズがトレンド」という理由だけで、自分の体型に合わない大きすぎる黒のトレンチコートを選んでしまうパターンです。肩が落ち、袖が余り、全体的にだらしない印象になってしまいます。
特に黒という色は、シルエットが曖昧になりやすく、サイズが合っていないとより一層ダサく見えてしまいます。トレンチコートの美しいラインが台無しになり、せっかくの上質な素材感も活かせません。
清潔感の欠如がダサさを加速
サイズの合わない黒のトレンチコートは、清潔感を損ないがちです。袖から手が見えない、裾を引きずるような着こなしは、だらしなく見えるだけでなく、機能性も損なわれます。
3. 重厚すぎる「お葬式」スタイル
フォーマル感が強すぎてダサい
黒のトレンチコートに黒のスーツ、黒の革靴、黒のバッグ…と、フォーマル感を意識しすぎた結果、まるで「お葬式に向かう人」のような重厚すぎるスタイルになってしまうパターンです。
確かに黒は上品な色ですが、カジュアルシーンでこのような着こなしをすると、場の雰囲気から浮いてしまい、結果的にダサい印象を与えます。TPOを考慮しない着こなしは、どんなに高級なアイテムを使っていても台無しです。
カジュアル感の欠如でダサさが際立つ
トレンチコートは元々軍用コートが起源のカジュアルなアイテムです。それを過度にフォーマルに着こなしてしまうと、本来の魅力を活かせず、堅苦しくダサい印象になってしまいます。適度な「抜け感」や「カジュアル感」を取り入れることが重要です。
【解決策】「ダサい」を「おしゃれ」に変える黒のトレンチコート着こなし術
これまでの失敗談とNGパターンから導き出された結論を基に、黒のトレンチコートの「ダサい」を「おしゃれ」に変える具体的な3つの秘訣をまとめました。
1. 「明度差」で親しみやすさをプラス!
白・ベージュのインナーで重さを軽減
黒のトレンチコートをおしゃれに着こなすために最も重要なのは、インナーに明るい色を取り入れることです。白のシャツ、ベージュのニット、ライトグレーのカットソーなど、明度の高いアイテムを合わせることで、黒の重厚感を和らげ、親しみやすい印象を演出できます。
この明度差によって、顔周りが明るくなり、表情も柔らかく見える効果があります。「怪しい人」ではなく「おしゃれな大人の男性」という印象に変わるのです。
小物で色のアクセントを効果的に
マフラーやスカーフで差し色を入れる、茶色や紺色のバッグを合わせる、靴を茶色やバーガンディにするなど、小物で色のアクセントを加えることで、全体のバランスが格段に良くなります。特に茶色系のレザーアイテムは、黒のトレンチコートと相性が良く、上品で洗練された印象を与えます。
2. 「ジャストサイズ」でトレンチの美シルエットを活かす!
肩幅と着丈がポイント
黒のトレンチコートの美しさを最大限に引き出すには、ジャストサイズを選ぶことが絶対条件です。肩のラインが自然に落ち、袖の長さが手首にかかる程度、着丈は膝上から膝下の間に収まるものを選びましょう。
特に黒という色は、シルエットを強調する効果があるため、サイズが合っていないとより一層だらしなく見えてしまいます。逆に、ジャストサイズで着こなすことで、黒の持つクールな印象を活かしながら、洗練された大人の魅力を演出できます。
体型に合わせた細かな調整
ウエストのベルトを適度に締める、袖をロールアップして抜け感を演出するなど、体型に合わせた細かな調整も重要です。黒のトレンチコートは、こうした小さなディテールの違いで印象が大きく変わるアイテムなのです。
3. 「TPO別」着こなしで場面に応じた魅力を演出!
ビジネスシーンでは上品な差し色を
ビジネスシーンでは、黒のトレンチコートにネイビーやグレーのスーツを合わせ、ネクタイで上品な差し色を入れることで、威厳がありながらも親しみやすい印象を演出できます。バッグや靴は茶系にして、重厚感を和らげるのがポイントです。
カジュアルシーンでは抜け感を重視
休日のカジュアルシーンでは、黒のトレンチコートにデニム、白のTシャツ、スニーカーといった組み合わせで、適度な「抜け感」を演出しましょう。これにより、トレンチコートの上品さを保ちながら、親しみやすい大人の魅力をアピールできます。
季節感を意識した着こなし
春は薄手のインナーで軽やかに、秋冬はニットやセーターで温かみをプラスするなど、季節感を意識した着こなしも重要です。黒のトレンチコートは一年を通して活用できるアイテムですが、インナーや小物で季節感を表現することで、より洗練された印象を与えることができます。
まとめ
黒のトレンチコートは、決してダサいアイテムではありません。むしろ、正しく着こなせば非常に洗練された大人の魅力を演出できる優秀なアイテムです。
重要なのは、黒という強い色の特性を理解し、それに合わせた適切なコーディネートを心がけることです。全身を黒で統一するのではなく、明るい色のインナーで親しみやすさをプラスし、小物で程よいアクセントを加える。そして何より、自分の体型に合ったジャストサイズを選ぶことが、「ダサい」から「おしゃれ」への最短距離なのです。
私自身の失敗談が、皆さんのファッションライフの参考になれば幸いです。黒のトレンチコートの持つクールな魅力を活かしながら、親しみやすい大人の男性として、自信を持って着こなしていきましょう。
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